まじゅーん診療ブログ

2013/11/07

生後5か月頃から2-3歳までは一生の中で最も中耳炎になりやすい時期でほとんどの人が1度は中耳炎になると言われています。子供が大人と比較して中耳炎になりやすい主な理由として大きく2つあります。

①免疫的要因:この時期は免疫が未発達で抵抗力が弱いため中耳炎になりやすい。もっとも多いパターンとして風邪をひき、こじらせて鼻の奥の上咽頭という部分の細菌叢バリヤーが破綻して菌のバランスが崩れるため菌が中耳にまで入って増殖し中耳炎になってしまう。

②解剖学的要因:耳と鼻をつなぐ管(耳管と言って中耳の気圧を調節しています)が大人と比較して短く、角度が水平に近いため上咽頭の細菌が中耳に移行しやすい(耳管の構造をアニメーションで分かりやすく説明しています

https://www.atoms.gr.jp/general/p_aom1.html

 

上記以外にもカゼやインフルエンザなどの感染症を保育園でもらったりあげたりの集団保育の問題も大きいと言われています。また、家族に喫煙者がいる、兄弟姉妹が多い、母乳栄養ではない などの要因も関係してきます。

 

しかし年齢と共に免疫力は次第に強くなってきますし、頭部の成長に伴い耳管も変化して大人の構造に近くなってゆきます。印象としては頻繁に中耳炎を繰り返す子でも2歳以降は中耳炎が軽症になり、3歳以降は明らかに中耳炎の回数が減り、耳鼻科を卒業する子も多くなります。

 

子供の中耳炎で頻繁に通院されてい親御さんは本当に大変だなと思います。しかし年齢と共にその回数も減ってゆきますので今が頑張りどころです。

 (雑誌mannmaでのインタビュー質問を一部改編しました)

 

今回は簡単に説明しましたが機会があればまた詳しく説明したいと思います。